個人用メモです.ろぼとみーではない.
"cyclotomy"は"円の分割"の意味をもち,ひとつの円の円周を長さの等しいn個の弧に分割する問題と関係がある."cyclotomy"の理論によって,定規とコンパスを用いた正n角形の作図問題を考えられる.どのようなnならば作図できるかについてはユークリッドが活躍していた時代から議論されており,その頃にはn=2^s,3*2^s,5*2^s,15*2^s(∀s in ℕ)の場合には作図できることが分かっていた.
ガウスは次のような驚くべき主張を述べた.
もしnがフェルマー素数なら(つまり,nが素数かつn=2^(2^k)+1と表現できる場合),正2^s*n角形は定規とコンパスで作図可能である.
"cyclotomy"の理論における関心は,位数が素数の有限群上での計算に由来している.たとえばn=5の場合,円を五等分にする問題を考えるわけだが,それは結局x^5-1=0の解γ_0,γ_1,...,γ_4を求める問題として定式化できる.
x^5-1=(x-1)(x^4+x^3+x^2+x+1)
であるから,γ_0=1が一つの解であることは分かる.残りのγ_0,γ_1,...,γ_4は"cyclotomic equation"
x^4+x^3+x^2+x+1=0
の解である.
ここで,cyclotomic equationのxの指数は5を法とする既約剰余系を構成していることに注意しておこう(つまりcyclotomic equationのべきの全体はZ_5に等しいということ).2が法5における原始根であることを利用すると,cyclotomic equationは次のような形で書くことができる.
\sum_{i=0}^1 \sum_{s=0}^1 x^2^(2s+i) = -1
5ではなく他の素数の場合,上記のsに関する和は次のように書ける.
\sum_{s=0}^{(p-3)/2} x^g^(2s+i) (gは法pに関する原始根)
また,二重和を次のように分けて考えることもできる.
η_i = \sum_{s=0}^{(p-3)/2} x^g^(2s+i) (i=0,1)
このη_iは(period:周期)と呼ばれる.周期を用いるとcyclotomic equationは次のように書ける.
η_0 + η_1 = -1
η_0,η_1,及びその積η_0*η_1の関係を表す式は,
η_0*η_1 = η_0 +η_1
である(原始元を用いた分割の仕方がこれを与えていると思われる).
上記の二つの方程式を連立させてη_1を消すと,
(η_0)^2+η_0-1=0
より
η_0 =\frac{-1 \pm \sqrt{5}}{2}
が求まる.
では,nが5ではなく,奇素数pである場合は
η_0*η_1 = a*η_0 + b*η_1 + c
をみたすような整数a,b,cが存在するのだろうか?存在するとすればどのように決まるのだろうか.(P38,pdf,23)
先を覗いてみた,群環とか出るんだ.