厳密さに拘る癖に用語の無責任な用法を好み、感覚の庭を耕している

帰り道

 付き纏う罪の意識とはどうやって折り合いをつければいいのだろう

 時間はしばしば僕を置き去りにしてしまう

 

 いつもパン屑を拾って家に帰るんだ

 集めても何にもならないパン屑のくせに

 輝いて見えるときがあるのはどうしてだろう


 最後でいつも誰かを殺さなきゃいけないのが分かっているから

 パン屑の一つ一つを拾うたびに僕は泣いてしまう

 

 違うと言い聞かせれば言い聞かせるほど

 パン屑がきれいな星の欠片のように見えてくる

 迷妄だと自嘲しながら君の前でパン屑を握り潰すとき

 罪悪感と手を繋いでいた僕は緩やかに透明へ近付いていく