布団の上,空になったガシャポンの容器を,投げ上げては掴み,投げ上げては掴み.容器の中に何が入っていたか思い出そうにも思い出せない,そんな感じの日々を音楽で誤魔化しながらなんとか生きています.
最近どんな音楽聴いてるの?と聞かれたとき,咄嗟に出てくるものが音楽ゲームの楽曲でないと嘘になると思うのですが,ゲーム音楽以外も聴いたりしています.
Moog Mig Mag Moog/Jean-Jacques Perrey
- 任天堂系の音楽に使われていそう.お気に入りは,Boys and Girls,Sentimental Trip,Laboratoire des Mutants.
Moog Sensations/Jean-Jacques Perrey
- Moog,Moog,Moog.モグーッ!この人の音楽を聴いていると,遊園地にいるときの「ずっとここにはいられない」という感覚を呼び起こされる.遊園地へ行きたい,遊園地のなかで帰りたくないと駄々をこねたい.Berceuse Pour un Bébé Robot(生まれたての自動機械のための子守歌)が特にすき.
Berceuse Pour un Bébé Robot/Jean-Jacques Perrey
L'amour est bleu/André Popp
- もうずっと昔から聴いている.Sylvie Vartanの歌い方も力強く素敵ではあるけれど,個人的にはVicky Leandrosの歌い方の方が好き.le vent,から声に勢いづくあたりが,とてもよい.
弦楽器と打楽器とチェレスタのための音楽/Bartók Béla
弦楽四重奏曲第1番/Bartók Béla
弦楽四重奏曲第2番/Bartók Béla
- 現代音楽として語られることもあるバルトーク.現代音楽といえば,受験生の頃にメシアンやグバイドゥーリナを聴いていた.音楽学者の一部はグバイドゥーリナのように,フィボナッチ数列を用いて作曲をしたのではないかと話しているが,バルトークの楽曲を研究してみるとフィボナッチ数列には当てはまらないことが多いらしい.今回,唐突に聴いたのはこの人の影響.
フリップ師匠が言うなら聴かないと!やっぱりプログレじゃないか!リズム的に愉快なのは一番最初にあげた「弦楽器と打楽器とチェレスタのための音楽」かもしれない.そういえば,King Crimsonもデヴィッド・クロスという人物が所属していた頃は,ヴァイオリンの音色が奏でられていました.デヴィッド・クロスもまた,バルトークの音楽に魅せられていたことが,次の記事から読み取れます.
ヴァイオリン,いいですよね….ピックで弾くような動作とは違う,弓を引く動作.刃物を入れる感覚.彼らの代表曲に太陽と戦慄(Larks' Tongues in Aspic)*2という曲があるのですが,緊張感を引き立てているのはデヴィッド・クロスのヴァイオリンの音色にあるのではないかと思っています.「弦楽四重奏曲第2番」の第二楽章を聴いていると,フリップ師匠がバルトークに惹かれたのは,バルトークの楽曲の技巧的な側面の影響が大きいのではないかと思ったりしています.デヴィッド・クロスは緊張感に,フリップ師匠は技巧面に.この解釈の相違によってクロスは脱退させられてしまうのですが….
クロスが関わっていた時期の楽曲の一つに,Doctor Diamondという曲があります.初めて聴いたとき,ヴァイオリンの緊張感たっぷりの,殺意的な旋律にやられました.8分のリズムの切り分け方,僕は3・3・2が好きなのですが,これは前二つの3がゆらゆらと対象に迫る動き,後ろの2が不意に飛びつくような感覚があるからです.さて,King Crimsonの楽曲のなかでも5本指には入りそうなぐらい好きな楽曲なのですが,残念なことにレコードされてアルバムに収録されることはありませんでした.ライブ音源をまとめたCDでしか聴くことができず,動画サイトでも音質が芳しくないものがほとんどです.聴くとしたら,次の二つがおすすめです.
- King Crimson - Doctor Diamond - Gottingen (1974) SBD
- King Crimson "Doctor Diamond" (1973.5.4) Boston, Massachusetts, USA
ただまぁ,クロスが如何に荘厳な緊張感を大事にしていたとしても,彼らの技巧的指向性の態度の前では心を打ち砕かれるばかりだったでしょう.もちろん彼らも緊張感を大事にしているからこそ,彼を一度は取り入れたのだと思いますが….1974年に解散したのち,ディシプリンという名前で立ち上げられ,後に再びKing Crimsonと名付けられたバンドの演奏をみればそれが分かります.
Elephant Talk/King Crimson - Live on Fridays
真ん中のピンク色の生物は,エイドリアン・ブリュー.象の鳴き声を鳴らしながら,人が変わったかのような技巧的な演奏を見せつける.大ふざけてしているが演奏は上手いというか,変態的.この生き物はギターを完全に分かっているうえで,ギターをやるのを放棄している.そんなことはギターが出来ない人間がやればいいとさえ思っているのかもしれない.そんな彼の師匠が,フランク・ザッパですからね.
muffin man/FRANK ZAPPA
情熱を何かに捧げられる人々が好きだ.何も求めることなく,捧げるだけ捧げ,情熱の中で生きている人々が大好きだ.みんな,嘘をつかないでくれ.私も,漸進的(progressive)に生きていたい.